2009年06月30日

☆『東京怪童』(※疾病)


☆『東京怪童 1〜(続刊)』(※脳障害、治療、医療、疾患、精神ケア)
著者名:望月ミネタロウ
出版社:講談社
モーニング
★★★
出版年:2009.06
ISBN :9784063728132

“気分は死にたい気分だけど
 僕は絶対死にたくない……
 そこなんだ辛いのは”


 脳に障害を持った4人の青少年の話。

 思ったことを全て口に出してしまう19歳のハシ。
 人前でも勝手にオーガズムがやってくる21歳の花。
 自分以外の人間はいないと思っている6歳のマリ。
 自分にはスーパーパワーがあると思いこんでいる10歳の英雄。


 不思議な世界です。

2009年05月25日

☆『わたし、男子校出身です。』(※性同一障害)


☆『わたし、男子校出身です。』(※男子校、家族、母親、妹、友だち、家出、手術、名前、演劇)
著者名:中森ゴセン
椿姫彩菜(原著)
出版社:ポプラ社
★★★★
出版年:2009.05
ISBN :9784591109700

“せめて まこととか かおるとか
 そんな名前だったら――
 そんなことを今まで何回考えただろう”


 タレントとして活躍している椿姫彩菜のエッセイ『わたし、男子校出身です。』のコミカライズ本。

 今はたくさんの笑顔を振りまいていて
 全然過去を想像できなかったんですけど、
 やっぱり性同一障害を抱えている人にとって
 楽な人生はないんだな、って思いました。

 家族との溝が大きくてよく頑張れたなって感じ。

 タイトルにある<男子校>。
 意外にこれが重要なキーワードになっているんですよね。
 共学の大学に行かなかったことがせめてもの救いだったという事実に驚き。
 いい仲間に恵まれたと思います。
 演劇でのあれは本当に運がやってきたという感じで。
 彼女の明るさはここにあったんだね。


 性別があるって、
 心と体の性別が一緒って当たり前だけど
 ものすごく幸せなことなんだなって思いました。

2009年04月22日

☆『ラブシック』(※病)


☆『ラブシック 1〜(続刊)』(※元患者、復讐、父親、仇、理事長、秘密、双子、男装、権力)
著者名:モリエサトシ
出版社:白泉社
花とゆめ
★★★☆
出版年:2009.04
ISBN :9784592180432

“お前達の秘密は父さんから聞いている。
 力を貸してくれるよな…?”


 父親の仇のため理事長に復讐しようとする色。
 彼は転入したその学園で、
 医師だった父の元患者で学園の権力者、ハル、ナツ、アキ、フユに協力を仰ぐ。
 秘密の病を持つ4人はなかなかの曲者ぞろいで……。


 復讐の話より、
 4人の話の方が気になる感じ。

 病ってなんだ??

2009年02月08日

☆『アスクレピオス』(※医術)


☆『アスクレピオス 1〜(続刊)』(※ヨーロッパ、異端者、異能、命、追っ手、教会、敵、父親、不思議な力、医者、手術、病気、家系、当主、治療、書物)
著者名:内水融
出版社:集英社
ジャンプ
★★★☆
出版年:2009.02
ISBN :9784088746333

“人体にナイフを入れるなど悪魔の所業。
 アスクレピオスは医師などでない……
 異端者だ”


 ↑という世界観のある某時代のヨーロッパでのお話。

 これはなかなか面白いストーリーです。

 医療技術がまだよく理解されていない世界で、
 異端だといわれている自分の家系の医術。
 教会に追われながらの旅路。
 主人公のバズと主従関係にあるロザリィの物語です。

 どうすれば人を助けることができるのか。
 何をすれば助かるのか。
 何が最善の道か。

 人が間違っているよといっているのに
 それでも自分を貫くといいますか、
 自分の正義というかを守り抜く。
 その信念のようなものに共感を得ます。

 何が正しいのやり方なのかあやふやな時代だからこそ、
 こういう人が新しい時代をつくっていくんだなーというか。

 楽しみ〜♪

 ただ難なところはロザリィのしゃべり言葉。
 もう少しどうにかしてほしかった。

2009年01月30日

☆『ヘブンズ・ドア』(※病気)


☆『ヘブンズ・ドア』(※病院、入院、タバコ、ガールミーツボーイ、ガン、余命、発作、犯罪、海、脱走、願い、想い)
著者名:ホンゴウランコ
出版社:小学館
少コミ
★★★☆
出版年:2009.01
ISBN :9784091322999

“知ってるか?
 天国じゃみんなが海の話をするんだ”


 2/7(土)公開、
 長瀬智也・福田麻由子主演映画のコミカライズ本。

 ガンに侵され余命数カ月の女の子・春海が、
 入院する病院で一人の男の子・勝人と出会います。
 彼に心を許した春海は、
 ある日彼に外の世界へと連れ出され……。

 死に近い二人が、
 必死に生きようとするストーリー。
 常に死がそこに迫っているので哀しい話でもある。
 映画見たら泣きそうな気がする。

 最後の終わり方はどうかと思うけど、
 わたしも頑張って生きようと思わせてくれた本。

 人間って生きるためにホント手段を選ばないよな。
 本当に必死さが伝わってくる。
 人間、ここまでやるんだっていう感じ。

2009年01月22日

☆『落下傘ナース』(※ヤンデレ)


☆『落下傘ナース 1〜(続刊)』(※共依存、いじめ、ナース、病院、サイボーグ、人造人間、クラスメート、幼馴染み、変身)
著者名:厘のミキ
出版社:集英社
ウルトラジャンプエッグ
★★★
出版年:2009.01
ISBN :9784088775906

“ずっと守ってあげる。
 絶対に見捨てない”


 ヤンデレ度120%

 ついていけない……(;O;)
ピカピカ家畜』も奇抜だったけど、これはそのレベルじゃない。
 
 幼馴染みの文子とチトセ。
 守り守られる共依存の二人に一人の少女が現れて……っていう話なんだけど、

 全部が狂気に狂ってると思う。

 1人も理解できる人間が存在しないってところがまず自分にはノー。
 普通主人公に感情移入しながら読むのが作品というものだと思うのですが、
 文子のヤンデレっていうか病み部分が狂異的すぎて理解不能といいますか。
 男のチトセもチトセでこちらも病んでるから救いようがないといいますか。

 狂った愛情表現とグロとわけのわからない世界がオッケーという方にはいいと思います。
 人に勧められる作品ではないということを述べておいて、
 でも自分は次も読む予定。

2009年01月13日

☆『感染列島』(※謎のウイルス)


☆『感染列島』(※ウイルス、患者、病院、医者、隔離、ワクチン)
著者名:柿崎正澄(画)
映画「感染列島」製作委員会(著)
出版社:小学館
スぺリオール
★★★
出版年:2008.12
ISBN :9784091824455

“私達は一体……
 何と戦っているんですか?”


 もし新型ウイルスの感染が日本に広まったらの予測を忠実に再現したらしいもの。
 同名パニック映画のコミック版です。

 2011年という数字は近い未来。

 感染者が約4000万人、
 死亡者1120万人。

 すごい数字だ。

 とりあえず、こうなるかもしれないという知識程度に勉強になったかな。

2008年11月21日

★『孤虫症』(※寄生虫)


★『孤虫症』(※主婦、マンション、アパート、異父姉妹、事件、小説、セックス、義兄、父親、娘、謎解き)
著者名:真梨幸子
出版社:講談社
単行本(05/4)
The News
第32回メフィスト賞受賞作
★★★★
出版年:2008.10
ISBN :9784062761826

“セックス依存症。そうなのかもしれない。
 私は、匿名の男たちと寝ることで、精神のバランスを保っている”


 メフィスト賞の話。
 これはわたしの読むジャンルとしては珍しく、萌えのないメフィスト賞作品。
 セックスによって感染する寄生虫を扱ったホラーというかミステリーというか。

 夫も娘もいる妻。
 3人の男と内緒でセックスする生活を送っている。
 ところがある日不倫相手の男たちが原因不明の死を遂げる。
 彼女の体にも異変が起こっていて……。

 愛と憎しみの話。
 ドロドロとしてます。
 が、なぜか一気読みできたという不思議な本。
 面白かったと感じてしまったorz

 
 解説を読めば実際にあるらしいですね。
 この奇病。

2008年11月15日

☆『夜明け前』(※性同一障害)


☆『夜明け前』(※高校生、過去、田舎、社会人、父親、実家、母親、世間、性別)
著者名:中間淳生
出版社:集英社
クッキー
★★★
出版年:2008.11
ISBN :9784088568560

“――どうして。
 どうしてあたしは男として生まれたの?”


 性同一障害を描いた作品。

 体は男。心は女の子という状況です。

 告白しても気持ちが伝わらない、むしろ嫌われるという現実。
 社会に出ても男と女がある。
 理解してもらえない辛さがここにあります。

 一つ感心したのは構成のうまさ。
 ストーリー構成がどこか新鮮だった。
 
 最近はおネエMANとかいろいろあるからわりと理解されているとは思うけど、
 でもそんなの上辺だけで実際の現実はほとんど辛いんだろうなあと思います。

*******
>関連作品
☆『ダブルハッピネス

2008年10月30日

☆『ICHI 市』(※盲目)


☆『ICHI 市 1〜(続刊)』(※江戸時代、旅芸人、幕末、三味線、二人組、刀、剣術、外国人、新撰組、幕府、尊王攘夷)
著者名:篠原花那(著)
子母澤寛(原著)
出版社:講談社
イブニング
★★★★
出版年:2008.10
ISBN :9784063522419

“この二人は一体――”

 女座頭・市を描いた漫画。
 映画との違いなどは知らず。
 全くのオリジナルなんしょうか。
 それとも映画と同じようなシナリオなんでしょうか。

 とにかく、でもかっこよかったです。
 そして何より美しい。

 目が見えないのになぜこれほど強いのだろう。
 剣術も、心も。
 共に旅をする藤原十馬との関係も気になるばかり。

2008年08月06日

☆『ダブルアーツ』(※透化病)


☆『ダブルアーツ 1〜(続刊)』(※感染病、発作、末期、ガールミーツボーイ、シスター、夢、耐性、生き残り、不思議な力、能力、暗殺者、戦い、敵、協会、元カノ、一族、純血、種族、祭り、両親、愛情)
著者名:古味直志
出版社:集英社
ジャンプ
★★★★
出版年:2008.08
ISBN :9784088745596

“オレだけはあんたに触れても絶対不幸になんかならない。
 絶対ならないから。”


 ジャンプの新鋭。

 トロイという透化病が世界に蔓延する世界。
 トロイは素肌で触れただけで感染してしまう恐ろしい病気で、
 治療方法は未だ見つからない難病。

 主人公はその治療の力を持っているシスター・エルレイン。
 だが、ついに力の限界が来て自分もトロイを発症してしまう。
 死にそうなところで出会ったのは、
 トロイに感染しないばかりか、
 発作を止めてしまうという絶対的な力を持つ少年・キリ。
 

 繋いだ手を放すと死んでしまうというハンデを持ちつつ、
 しかしその繋がれた手により人間の温かさっていうか希望のようなものがぐっと伝わってくるんですよねー。
 何かと不便多すぎですが、なんかうらやましいわ。

 そして、キャラクターもいいよね。
 キリの父と母の寛容っぷり、
 そしてキリの元カノ・スイ。
 かっこよすぎ。

 これから大きな作品になっていくんじゃないかな。
 紹介してくださったmokoさんありがとうございます。

******
>透明になる病・喪失関係の作品

☆『トランスルーセント 彼女は半透明
 透明病の話。
『ダブルアーツ』みたいな発作や感染はない。
★『些末なおもいで
 あれという奇病。

2008年08月05日

★『パコと魔法の絵本』(※記憶障害)


★『パコと魔法の絵本』(※病院、患者、誕生日プレゼント、両親、芝居、死、過去、交通事故、生き残り、作者、屋敷、社長、変人)
著者名:関口尚
出版社:幻冬舎
幻冬舎文庫
映画化
★★★☆
出版年:2008.07
ISBN :9784344411616

“あのじじいはな、信じてんだよ。
 一日経てば全部忘れちまうあの子の心に、
 記憶ってことができないあの子の心に、
 なにか残せるはずだって、
 あのじじいは信じてんだよ!”


 来月に公開される映画の原作本。

 お金持ちのガンコじじい・大貫。
 彼の入院した病院には変人ばかり。
 毎日文句ばかりの嫌われ老人の彼はある日絵本を持った女の子に出会う。
 彼女にもキツくあたるのだが、
 記憶が一日しか持たないという現状を知ると、
 彼女のために何かしてやれないかと思うようになる。
 どうすれば彼女に思い出を残せてやれるのだろうか。

 という話。

 自殺を繰り返す患者とか、オカマとか、銃弾をペンダントにしている人とか、いろんな入院患者が出てきます。

 文字で鑑賞するより目で見たほうがおもしろい印象。
 
 過去を語るという作風も良かったんじゃないかと思う。
 これにはこういう意味があるんだと思うと、
 より絵本や記憶の重みってのが出てくる。

2008年07月29日

☆『いのち屋エンマ』(※闇医者)


☆『脱獄ドクターいのち屋エンマ 1〜(続刊)』(※囚人、刑務所⇔シャバ、脱獄、外科医、妹、刑務官、逮捕、兄、病院、冷凍睡眠、命、依頼、請負、報酬、手術、病気、犯罪)
著者名:富沢順
出版社:日本文芸社
漫画ゴラク
★★★☆
出版年:2008.07
ISBN :9784537108545

“どんな世界にも抜け道はあるものよ!
 選ばれた人間だけがそれを利用できる!”


 これはよかった。
 奇抜な女・花音の存在がこの作品をさらに惹き立てていると思う。

 光速の外科医として活躍してきた円馬光也は、医師法違反等の容疑で逮捕され刑務所へ。
 しかし自分の妹だと名乗って面会してきた女・花音との出会いにより闇医者稼業をすることに。
 彼女と共犯とおぼしき刑務官の男により夜になると脱獄。
 正規の病院で手術できない事情をもつ患者たちの治療にあたる。

 ミステリアスがいっぱい詰まった漫画だった。
 なんていうか、闇医者も素敵ですね。
 というのと同時に、やっぱ医者ってすげーっていうのがあります。
 
 一般の人じゃできない行為ですからね。
 怪我や病気を治すっていうのは。
 
 推しとくわ。

2008年07月25日

☆「ナインダーツ」(※病気)


☆「ナインダーツ」(※患者、隔離施設、生きる価値、才能、社会復帰、感染症、懲罰)
著者名:甲斐谷忍(著)
出版社:集英社
ヤングジャンプ
★★★☆
出版年:2008.07
ISBN :9784088774763

“くやしいけどこれが現実なんです。
 人間じゃないんですよ、俺達”


『LIAR GAME−roots of A 甲斐谷忍短編集』収録作品。
ライアーゲーム』の秋山さんの過去を描いた表題作のほかいろいろが入った短編集。
 秋山さんかっこいいですvv


 で、うち「ナインダーツ」を紹介。

 ミドリ病にかかり隔離施設に閉じ込められた患者が、
 自分らの人権をダーツゲームによって勝ち取る話。
 一人だけ驚異的なほどのダーツできる男の子がいるんです。
 
 なんかある意味現代社会に繋がるようなものがあって、
 ちょっと考えさせられた。

2008年07月16日

☆『奇跡のヒト』(※冷凍睡眠)


☆『奇跡のヒト 1〜2(続刊)』(※コールドスリープ、サスペンス、過去、医者、女医、人体実験、借金、モデル、マネージャー、年齢、報酬、競馬、大金、屋台、仕事、夫婦、秘密)
著者名:土屋ガロン(著)
張慶二郎(画)
出版社:新潮社
バンチ
★★★★
出版年:2008.07
ISBN :9784107713896

“俺は冷凍睡眠から20年後に蘇生した奇跡の男……
 おそらく人類史上でただ一人の……”


 強力プッシュ。
 1&2巻同時発売。

 これはおもしろい。
 
 20年前にコールドスリープし目覚めた現代。
 大きく変わってしまった東京。

 男の過去に迫ったり、
 出会ったモデルの女・水島リサとの出会いを通じて、
 現代社会の生きにくさっていうか苛立ちみたいなものが描かれていていて、
 共感する部分が多い。

 ミステリーというかサスペンス部分もたくさんあるので
 これは見逃せない。

ホムンクルス』好きな人もいいかも。

******
>コールドスリープを扱った作品(宇宙系は除く)
●『天使が堕ちた街
☆『7SEEDS

2008年07月01日

☆『麻酔科医ハナ』(※麻酔科医)


☆『麻酔科医ハナ 1〜(続刊)』(※女医、同僚、過酷労働、激務、病院、手術、過労、恋、結婚観、生命維持活動、患者、医療事故、意志)
著者名:なかお白亜
出版社:双葉社
アクション
★★★★
出版年:2008.06
ISBN :9784575835045

“どんなに完璧に麻酔してもそれが当り前と評価され……
 失敗は一度として許されない……。
 ――こんなクソ厳しい仕事…誰がやるって?”


 これはなかなか面白かった。

 麻酔科医という、周りからはあまり評価されにくい専門職の大変さとやりがいを描いたもの。
 医者っていったら男が主人公っぽいけど、ここでは女医さんが主人公になってます。
 
 かっこいいなーと思った。
 魅力を感じます。

 でも現実は本当に厳しく辞めていく人が多いみたい。
 難しいなあ。

2008年04月21日

☆『最上の命医』(※医者)


☆『最上の命医 1〜(続刊)』(※小児科医、手術、病院、外科、医療、次元変換能力、技術、命、研修医)
著者名:橋口たかし
入江謙三(著)
出版社:小学館
サンデー
★★★★
出版年:2008.04
ISBN :9784091213853

“ヤツはおそらく……
 この日本の小児外科不足の現状をブチ壊すつもりなんだ”


『焼きたて!! ジャぱん』作者の最新作です。

 今度は天才小児外科医の話。

 生まれたばかりの頃、心臓手術を受けた少年・命が、それをきっかけに最高の小児外科医になることを決めます。
 そして夢は偉大な男との出会いにより志が変わり、どんどん力を発揮していくというあらすじ。

 人を救うことのすばらしさを教えてくれる漫画です。
 かっこいいなあ。
 自分のやる気を奮い立たせるというか、
 小さい頃これ読んでたら医者目指したいって思っちゃうかも。

2008年03月09日

●『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』(※喪失症)


●『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』(※不思議世界、少年少女、名前、バイク、相棒、飛行機、肩書き、秘書、取締役、社長、ボス。仲間、学校、日記、燃料、食料、野宿、養護教諭、保健室、高校生、記録、記憶)
著者名:萬屋直人
出版社:メディアワークス
電撃文庫
★★★☆
出版年:2008.03
ISBN :9784840241922

“世界を緩慢に蝕むこの現象には、
 正式な名前がついていない。”


 喪われる物語。

 名前を失い、顔を失い、色を失い、影を失い、
 そして最後に存在が消えるという現象。
 その人物が残した絵画や文章、印刷物、録音物など。
 あらゆるものが消えてしまう。

 そんな世界の果てを目指し旅をしているのが本作の主人公である少年と少女。
 名前を失っているため、少年と少女と、そのまま呼び合ってます。
 二人がどんな関係かは失われているので不明。
 ただ、良き相棒であることは確か。
 彼らは一台のバイクで旅をし、
 その中で出会う同じ病気を持つ人と触れながらまた旅に出る。

 という連作短編集みたいなもの。
 電撃大賞の入賞にもれてしまった作品らしい。

 静かに滅びていく世界で、人はどう生きるのか。
 そして、何を残していくのか。
 人間の終末が描かれてます。
 消失感というか、哀しげな感じがどこか心地良かった。
 それはたぶん、悲観的に描かれていないからだと思う。

 ラストの日記の件も、良かった。
 この抜け穴が作品を明るく照らしているんじゃないでしょうか。

******
>失われる物語。
★『密やかな結晶
 本作と一番近い内容だと思う。
★『失われた町
 町が消える話。
★『少年検閲官
 そもそもミステリとか探偵とかそういう言葉が失われた世界。
★『散歩する侵略者
 言葉の概念が消えていく話。

2008年02月16日

☆『中性風呂へようこそ!』(※性的少数派)


☆『中性風呂へようこそ!』(※セクシャルマイノリティ、インターセックス、中間性、半陰陽、性転換手術、オカマ、オナベ、MTF、FTM、悩み相談、改名)
著者名:新井祥
出版社:双葉社
アクション
★★★★
出版年:2008.02
ISBN :9784575941500

“性別は男・女2つではなくグラデーションのようなもの。
 人はみなその中のどこかに位置しているのです”


性別が、ない!』の作者最新作。
 半陰陽である著者が、性的少数派についてのいろいろを語るというか解説しているというか。
 エッセイみたいだけど、完全にいうとそうじゃないという感じのコミックです。

 普通の生活の中じゃその人の本当の性別というのは分からない。
 お風呂を舞台にしたのがうまいと思う。
 非常に良い作品でした。

2008年01月25日

☆『ミッドナイト☆チルドレン』(※記憶喪失)


☆『ミッドナイト☆チルドレン 1〜(続刊)』(※アイドル、芸能、マンション、寮、事務所、グループ、テレビ局、苦労人、双子、花、施設、撮影、収録、ドラマ、役者、コンサート、孤独、御曹司、報道、病院、過去、兄、恋)
著者名:新條まゆ
出版社:集英社
別冊マーガレット
★★★☆
出版年:2008.01
ISBN :9784088462585

“1人になると考えてしまう。
 記憶をなくす前のあたしって……
 どんなんだったんだろうって……”


 新條まゆが集英社に進出。
 少コミのイメージしかないので一体どうしちゃったんでしょうって感じです。

 主人公は記憶を失くした少女。
 仮にすみれと名づけられている。
 そのすみれが雨の日に道で倒れてて、拾って寮に連れ込んだのがとあるアイドルグループの双子。
 無視するわけもいかないのでとりあえず……という形から同居がスタート。
 
 全く思い出せない失われた記憶。
 そしてお世話になっているリスキーのメンバー達にも話したくない過去というかそんなのがあるみたい。
 
 自分が何者であるのか、
 本当の自分とはなんなのか、
 自分の居場所は、心の拠り所は……。

 何気にいろんなもんが詰まってて、これはけっこう期待できるんじゃないかと思った。
 さすがベテランってだけあるよ。

2007年12月28日

☆『神の手を持つ男』(※脳外科医)


☆『神の手を持つ男 1〜(続刊)』(※医者、医師、医学、手術、病院、研修医、患者、相談、過去)
著者名:本そういち(画)
福島孝徳(監修)
出版社:角川書店
コミックチャージ
★★★☆
出版年:2007.12
ISBN :9784047250062

“実際は神様ではない……。
 それは…当の私がよく知っている”


 実在の医師・福島孝徳のドキュメンタリーコミック。

 人が病にかかったとき、それを治すのは人間しかいない。
 それも、<医者>という一部の人間に限られる。
 その医者というくくりの中でも、ごく一部の人間だけが<この先生なら……>と、誰からも頼られる存在なのだと思う。

 しかしその医者も人間。
 治せないものだってある。

 医者とはどういう人間なのかが描かれています。
 医者がいなければ人は生きていけませんからね。

2007年12月28日

☆『H2O』(※盲目)


☆『H2O-FOOTPRINTS IN THE SAND 1〜(続刊)』(※転入、学校生活、風車、過去、本、精霊、丘、友だち、約束)
著者名:枕(原著)
狗神煌(画)
出版社:角川書店
コンプエース
★★★
出版年:2007.12
ISBN :9784047139688

“……それじゃまるで……
 約束の人じゃない”


 なんとも美少女系な表紙ですけど、中身はけっこうおもしろいです。
 女ばかりに囲まれる男子一人という構図はどうも怪しいですけど、
 いかがわしいってワケじゃなく、これはミステリファンタジー。
 まあ、ツンデレとかぱんつ穿いてないとかありますが、いけないわけじゃないからね。

 主人公弘瀬は、見えない眼のこともあっての転校生。
 登校日前に出会った少女に学校で再会というお決まりシーンで幕は開けますが、
 目が見えないという分、ミステリアスさが増しています。

 ファンタジー要素として出てくるのが音羽。
 仲違いしてしまった人たちの心を取り戻すための旅をしている精霊。
 バラバラになった心をひとつにするには<約束の人>が必要だそうで、
 主人公・弘瀬が当てはまるらしい。

 で、その仲違いしている人がクラスに1組。
 それが登校前に出会った少女・小日向。
 と、対する神楽。

 ちょっとだけ期待の作品。
 

2007年12月07日

★『日傘のお兄さん』(※日光アレルギー)


★『日傘のお兄さん』(※逃避行、島根、東京、幼児、日傘、母子家庭、離婚、父親、クラスメート、友だち、ネット、掲示板、夜行電車、好きな人、孤独、過去、いじめ、医者)
著者名:豊島ミホ
出版社:新潮社
新潮文庫
単行本(04/3)
★★★★
出版年:2007.10
ISBN :9784101199429

“ごめん――迷惑をかけることはわかってる。
 でも、君しかいないんだ。
 他に誰も頼れない。
 焼け付きたっていいから、君と逃げたいんだ”


 この方の本は『青空チェリー』以来。
 成長したなと思った。
 
 4本の短編集で、死んだ女の子が彷徨う話「あわになる」もけっこう好きなんだけど、
 この表題作「日傘のお兄さん」は特別ですよ。
 何気に萌えるのは気のせいでしょうか。
 幼少時は少年と幼女。
 現在は青年と少女である2人の男女。
「お兄さん」「なっちゃん」という呼び方がいいんですよねえ。

 主人公の夏実は東京に住んでいる。
 幼少時を過ごした島根。そこには自分の寂しさを埋めてくれる日傘のお兄さんの存在が。
 東京に越して何年かぶりに、その日傘のお兄さんと再会するのです。
「追われてるからかくまって」だって。
 クラスメートいわく、ちまたではロリコン男として危険人物扱いされているらしい。
 彼の出現情報はネットに流れ、掲示板で常にマークされているのだった。

 幼女誘拐事件とか殺人とかあるからね。
 世間の目は冷たい。
 ロリコンはそれだけで危険人物扱い。
 お兄さんの過去を知らないくせに。
 そんなのひどい。

 夏実はお兄さんと島根へ向かう。
 もちろん、その旅路まで常にネット上で追われていくんですよね。
 
 ラスト軽くほろりときました。
 微妙に泣きそうになった。

2007年10月20日

☆『クワイエットルームへようこそ』(※閉鎖病棟)


☆『クワイエットルームにようこそ』(※精神病院、隔離、拘束、睡眠薬、恋人、ケンカ、看護士、入院患者、拒食症)
著者名:松尾スズキ(原著)
上野愛(画)
出版社:集英社
原作あり
映画化
コーラス
★★★
出版年:2007.10
ISBN :9784088654348

“わたしは神様に居場所を選んでもらうため薬を飲んだ。
 そしてクワイエットルームにたどり着いた”


 小説が映画化されると、かなりの確率でそれがコミック化されるよね。
 最近のものだと、『象の背中』にひきつづき。
 
『クワイエットルーム』は一度小説で挫折したことあるので、実はコミック化歓迎でした。
 最初からありえないシーンで物語があけるので。
 夢だったらいいんだけどさ。

 明日香は、気がついたらベッドに拘束された状態で目覚めた。
 体は全く動かない。
 看護士いわく、ここは精神病院の閉鎖病棟。
 原因は薬とアルコールの大量摂取で倒れたから。
 自殺未遂と思われた自分は強制入院されていて、勝手に退院できないという。
 あれはいろんなことが重なってムカついたからの自棄酒というかなのに……。
 
 自分は異常者じゃない。
 なのになぜこんな病棟にいなくちゃいけないんだろう。
 
 クワイエットルームは、死のうとしている人を閉じ込める部屋。
 薬の大量摂取といったらやっぱり正常者と判断するのは難しいと思う。
 でも本当は違うんだーっていうのは、どうやってみわければいいんだろうとか考えた。
 しかし、日本人の鬱率ってのは高いし、よくわからんのよね。

 けっこうわかるなーっていう話でした。
 でもこういう世界は苦手だ。
 
******
読売新聞の書評(小説)

2007年10月16日

☆『象の背中』(※ガン)


☆『象の背中 1〜(続刊)』(※父親、部長、家族、妻、娘、告知、タイムカプセル、絵描き、夢、好きな人、愛人)
著者名:秋元康(原著)
くじらいいく子(画)
出版社:新潮社
BUNCH
★★★
出版年:2007.10
ISBN :9784107713582



☆『象の背中 妻の手紙』(※マイホーム、家族、愛人、苦しみ、肺がん、チョコレート、入院、手紙、遺骨)
著者名:美咲さくや
秋元康(原著)
出版社:講談社
BE・LOVE
★★★
出版年:2007.10
ISBN :9784063723601

“だからこそ、残されたオレの人生を全うしたい”

 象は死ぬとき、群れから離れて独りぼっちになるらしい。
 それが、タイトルの由来。
 肺がんになって死の告知をされた男が、余生をどう生きるかという話だ。

象の背中 追憶のベッド』に続き、2作目、3作目のコミックバージョンを読んでみました。
 このあと、白泉社と新書館からもコミックが出るようですが、
 もう読まないかも。

 感動する話なんだけど、こういっぱい漫画化されてもネタバレになっちゃっているので新鮮さがないというかな感じです。
 この2作も全く同じじゃないし、新しいエピソードっていうのもあるけれど、結局テーマは一緒なのでどうともいえないなあ。

 一作だけ読むなら全く問題ないけどね。
 とりあえずオススメは『象の背中 妻の手紙』ですね。
 夫に愛人がいながらも、それを許す妻が素敵です。
 こんな心、持ちたいよね。

2007年10月14日

☆『壊れた脳生存する知』(※高次脳機能障害)


☆『壊れた脳生存する知』(※医者、病気、脳、現実、悩み、夢、仕事)
著者名:成瀬涼子(著)
山田規畝子(著)
出版社:講談社
BE・LOVE
★★★
出版年:2007.10
ISBN :9784063723618

“嘘みたいだ。
 自分がこんな人間になっちゃうなんて”


 脳に障害を持つ女性の実体験を描いたノンフィクション作品。
 それをコミック化したものです。

 医師として第一線を歩んでいた主人公の女性が、
 モヤモヤ病にかかり、それから生活に支障が出て行ってしまう。
 当たり前のことができない現実。

 残酷すぎて正直読むのが辛かったです。
 でも、知っとかなくちゃいけないよなあ。

2007年10月07日

☆『象の背中−追憶のベッド』


☆『象の背中−追憶のベッド』(※ガン、過去、友人、余命、思い出、婚姻、恋人)
著者名:秋元康(原著)
林久美子(画)
出版社:白泉社
シルキー
映画
★★★
出版年:2007.10
ISBN :9784592187844

“俺は、あと4ヶ月で死ぬ。
 ガンなんだ。”


 秋元康の小説が映画化。
 それの関連書籍です。
 今月は「象の背中」ラッシュでいろんな出版社からマンガが発売されますからねー。
 それだけの注目作品ということでしょうか。

 病気によりあと少しで死ぬという男が、今までお世話になった多くの人を一人一人訪ね歩くことに余命を使う話。
 このコミックは、うち一人をピックアップしたものです。
 一言でいうと官能です。

 元恋人と会う話。
 掲載誌はシルキーということで、主婦向けじゃないけど、まあそんな感じ。
 悪くはないけどセックスシーンが苦手すぎる。
 だいたいにおいて、主人公が若すぎます。
 もっとおじさんじゃなかったけかと思う。
 だから、ありえないだろとこっちは思ってしまうわけですよ。

 原作読んでないのでごちゃごちゃいっちゃいけませんがね。

2007年09月04日

☆『ママの恋人』(※研修医)


☆『ママの恋人』(※母親、再婚相手、恋、過去、事故、生き残り、神様、ガン、病院、嫉妬)
著者名:かねさだ雪緒
出版社:小学館
ベツコミ
★★★★
出版年:2007.08
ISBN :9784091311801

“俺は医者だろ?
 俺に関わる人をなんとしても救ってやる。”


 母親の再婚相手(未来のパパ)を好きになっちゃうって話なんだけど、
 だから「ママの恋人」ってタイトルなんだけど、
 これが意外なトリックというか、裏があってびっくりした。
 
 野美の家に突然現われたのは、母親(47歳)の再婚相手の良(24歳)。
 同居していく中で、だんだんと、どんどん好きになっていっちゃうのです。
 ママの恋人を好きになってしまった自分。
 良は自分の父親でしかない。
 でも、感情を抑えることなんてできない――。

 短編なのにすげー!
 ありきたりといわれたらアウトなんだけど、でもわたしは好きだっ。
 短編ながらに、命についてとか、医者を目指す理由についてとか、
 命の大きさとか、けっこう重く描かれている。
 ただの恋愛モノじゃありませんよ。

2007年07月22日

★『私の優しくない先輩』(※病気)


★『私の優しくない先輩』(※恋、恋愛、片想い、生きる、告白、体育、転入生、いじめ、家庭問題、フリーマーケット、友だち、田舎、島、同級生、先輩、療養、病弱、友情、嫉妬)
著者名:日日日
出版社:碧天舎
恋愛小説コンテストラブストーリー大賞受賞作
★★★★
出版年:2005.02
ISBN :9784883467242

“幸せに生きよう。
 最後の刹那に微笑むために”


 すごかった。
 さすが日日日さんといいますか。
 ふつーに面白かったです。

 主人公は、病気の療養のため島の高校にやってきた西表耶麻子。
 同級生の愛治くんを好きになる。
 ラブレターを書くがたっくさん失敗。
 告白できずにいる。
 
 一方で一番付き合いたくないのがタイトルにもなっている私に優しくない先輩。
 不破先輩っていうんだけど、彼は病気で体育を休む耶麻子に運動を無理強い。
 体育館での二人の時間が生まれる。

 そこに同じく転入してきた喜久子を加えての学校生活。
 
 一気読み。
 日日日さんの1冊目の本。
 表現がうまいなあと思う。
 テーマ通りのラブストーリーでしたね。
 自分でも幸せいっぱいだった。

 私は――あなたが好きかもしれません。
 それも「大」が三つはつくくらい


 ってのに幸せを感じた。
 人を愛せるってすごい素敵だ。
 こういう青春送ってみたかったな。 

2007年07月20日

☆『ダブルハッピネス』(※性同一障害)


☆『ダブルハッピネス』(※GID、学校生活、フェンシング、悩み、家庭、ネット、仲間、反発、現実、手術、差別)
著者名:寄田みゆき(著)
杉山文野(原著)
出版社:講談社
単行本(06/5)
デザート
★★★★
出版年:2007.07
ISBN :9784063654608

“僕はこの世に生を受けた。
 女の気ぐるみを身につけて”


 実話。
 いろんなメディアで話題になっている杉山文野さんの著書『ダブルハッピネス』(←未読)をコミック化したもの。
 身体は女の子だけど心は男の子。
 その違いに違和感を感じてからの苦悩などが描かれてます。

 インターセクシャルを扱った『IS』『性別が、ない!』を読んでいることもあり、男か女か問題っていうのには理解がある自分。
 性の問題っていろいろあるよなあ。

 当たり前のように片方の性を受けた自分。
 世の中は様々。

 それでも、わかってくれる人、理解ある人がいるっていうのは本当に幸せだ。
posted by 未衣名 at 19:27| Comment(0) | 病気・障害者・性問題・医者

2007年07月06日

●『姫宮さんの中の人』(※コンプレックス)


●『姫宮さんの中の人』(※対人恐怖症、生徒会長、高校生、秘密、幼馴染み、姉、人体改造、研究所、ロボット、特訓、マッドサイエンティスト、陸上部、演劇部、部室)
著者名:月見草平
出版社:メディアファクトリー
MF文庫J
★★★★
出版年:2007.06
ISBN :9784840118729

“このことを知っているのは学校内に私と星野くんしかいないわ。
 この意味……わかる?”


 生徒会長の姫宮ちとせは学園の美少女。
 憧れの存在。
 そんな姫宮さんの秘密を知ってしまったのが主人公の星野純人。
 タイトルの、姫宮さんの中の人を発見してしまうのです。

 幼馴染みの結衣と姫宮さんと純人の三角関係。
 ラブコメです。
 結衣が自分のことを<ぼく>という<ぼくっ娘>ってのがまたヘンなところでツボです。

 ってのはおいておいて、真面目な話。
 これが想像以上にシリアスなものになるんですよ。
 同作者の『桜乃きらほの魔法医カルテ』ってのも前半はコメディだったんですけど後半がすごい真面目な話になるんですよね。
 これもさすがな展開。

 中の人の話、姉貴の話がなんともでさ。
 ネタバレになるのでいえないことが辛いんだけど、
 どちらが本当の姫宮さんかっていうか、どちらが好きなのかってのがいいテーマになってる。
 
 本当の自分とは。
 表紙に惑わされずぜひ一読をオススメ。

 一応続刊モノ。
 姉貴が教師として主人公と姫宮さんを監視に来ました。
 なんてベタな。
 

2007年06月23日

★『NR』(※記憶喪失)


★『NR ノーリターン』(※病院、医師、看護士、マフィア、ヤクザ、店長、手紙、中国人、陸上コーチ、バルセロナ、救世主、叔母、交通事故、宗教、恋、父親、AV、監督)
著者名:川島誠
出版社:角川書店
角川文庫(07/6)
★★★★
出版年:2004.11
ISBN :9784048735728

“そのときは思ってもみなかったね。
 こんなもんが、俺にとっての、
 世界の始まりになる音だったなんて”


 ハルヒシリーズのキョンみたいな語り口だなーと思って読んだ本は、青春小説かと思えばそうでもない。
 川島誠といえば青春小説といわれる『800』の作者じゃなかったか?
 マンガでしか知らないけど、そういう作家だったんだ……。
 と、ちょっと引いてしまった。

 まあ、汚いってわけじゃないんで楽しめましたけどね。
 上記キーワードには一部入ってますが、AVと精液って言葉がよく出てます。
 セックス描写も出てきます。
 AV撮影の様子もバッチリ描かれてます。
 妹を犯そうとするシーンも出てきます。

 なんともはや。
 今月の角川文庫の新刊なんですけど、表紙を見ても帯を見ても裏の紹介欄見てもこんな展開になるなんて……な話です。
 奇想天外っていうのかな。
 性と宗教が絡んだ話です。

 次は『800』読んでみるか。
 積読状態だからちょうどいい。

・あらすじ
 目覚めたら病院。
 交通事故により記憶の一部を失ってしまった主人公の高橋進。
 人から聞く話によると、日本屈指の素質を持ったランナーにして科学の天才だったらしい。
 枕元におかれた手紙に至っては自分が<救世主>だときた。
 ホントのところ、自分は一体何者?
 
 退院後、進は15歳の叔母に引き取られる。
 で、病室にもやってきたことのある中国人マフィアに拉致られる。
 とあるバイトをしていたらしく、そこの店長のところに連れて行かれるのです
posted by 未衣名 at 23:59| Comment(0) | 病気・障害者・性問題・医者

2007年06月23日

☆『ファンタジウム』(※難読症)


☆『ファンタジウム 1〜(続刊)』(※天才、才能、手品、マジック、マジシャン、賭博、ショー、ステージ、トランプ、トランク、祖父、夢、パーム、父親、母親、家族、不登校、師匠、公園、理想、トリック)
著者名:杉本亜未
出版社:講談社
モーニング
★★★★
出版年:2007.06
ISBN :9784063726084

“天才というものがいるとしたら、
 それはただ運命かもしれないな”


 マジシャンの祖父を持ちながら、サラリーマン人生を歩んでいる北條。
 彼は仕事先で向かった地下で、非合法カジノに居合わせる。
 一人勝ちしていたのは子ども。
 表紙になっている男の子・良です。
 彼はマジシャンの才能を持ちながら自由に生きている。
 後でゆっくり話を聞いてみると、祖父の知り合いらしい。
 イカサマ賭博は全て祖父からの伝授だという。
 
 良と良の才能にほれこんだ北條、二人の物語。
 ゆくゆくはプロへ行くのでしょうかねえ。

 前途多難であるかとは思いますがね。
 彼、良は読み書きができないんですよ。
 字が読めないことで心に闇を持っていて、
 それをじんわりと北條が解いていくストーリーでもある。

 学校に通っていない良。
 自由に生きることのすばらしさがここに詰まってます。
 

2007年05月29日

☆『そのときは彼によろしく』(※病気)


☆『そのときは彼によろしく』(※幼馴染み、三人組、過去、廃バス、元モデル、薬、犬、絵、アクアプランツ、再会、水草屋、孤独、事故、画家志望、フランダースの犬、プリズム、プレゼント)
著者名:市川拓司
宮園いづみ(画)
出版社:小学館
単行本・文庫
映画化
プチコミック
★★★☆
出版年:2007.05
ISBN :9784091311207

“あなたに会ったら、
 そのときはよろしく伝えてほしいって”


 いろんな意味を含む、『そのときは彼によろしく』。

 アクアプランツの店を営む青年・智史。
 元有名モデルの花梨。
 画家志望の祐司。

 強い絆で結ばれた三人の話。

 昔よく遊んでいた幼馴染みが別れ、そして再び再会。
 その話を描いている。

 楽しめました。

 なんというか、ピュア。
 てっきり『天国は待ってくれる』系の幼馴染み同士・恋の三角関係かと思ったけど違いました。
 恋もあるけどね、主に友情。

 ふつーに感動。

 ゴミの絵ばかり描いていた祐司が好き。
 トラッシュってそういう意味があるんですね。
 

2007年05月29日

●『吸血の季節』(※吸血病)


●『吸血の季節』(※血、提供者、殴られ屋、探偵、復讐、妹、過去、ドラック、薬、死、リストカット)
著者名:砂浦俊一
出版社:集英社
スーパーダッシュ文庫
★★★☆
出版年:2007.05
ISBN :9784086303613

“それなら、私があなたに血をわけてあげる”

 血を飲みたいという欲求に堪えられなくなる病気:吸血病(ヴァンパイアフィリア)。
 それにかかっている高校生の少女・紗衣。
 学校で彼女に血を分けているのは、事情を知っているリストカッターの鏡花。
 吸血という吸血鬼みたいな行為。
 その葛藤とかが描かれてる。

 殴られ屋の高校生に、
 紗衣を狙う復讐鬼に、
 不思議な左腕を持つ怪人に……。

 吸血という行為について、
 それ関連でいろいろなことが絡んでくる。
 うまく繋がってます。

 一番は紗衣の妹・亜矢のこと。
 彼女は一番最初の血の提供者。
 今は亡くなっている。

 表紙からわかる通り、百合です。
 理解がないわけではないので読めはしましたけど、
 エロがちょっと強くて自分にはちょっときつかったかなと思う。

 しかし、ラストには爽やかなものがあった。

2007年05月25日

☆『性別が、ない!』(※両性具有)


☆『性別が、ない! 1〜3(続刊)』(※四コマ、半陰陽、IS、インターセクシャル、男女、性別、ゲイ、性同一性障害、おかま、東京、名古屋、漫画家、劇団、病院、手術、改名、先生、教師、海外旅行、刺青、SM、両親、友だち、結婚、性転換、ホスト、新宿、修学旅行、肉体改造、胸)
著者名:新井祥
出版社:ぶんか社
本当にあった笑える話
★★★★
出版年:2005.09
ISBN :9784821182053

“性別が中間!?”

IS』を読み両性具有の話をもっと読みたいと思いこっちに手を出す。

 ISである著者の自らの体験を綴ったコミック。
 30歳になって自分がISなのだと知ったらしい。
 子どもの頃は女性として暮らし、
 今は男として暮らしてる(戸籍は女)。
 本職は漫画家で、専門学校の教師もしてる方。

『IS』みたいに非常にシビアな話かと思えば、こちらはコメディ調に描かれている。
 本人曰く、暗い話は嫌い。
 恵まれた育ちをしているんだなあと思った。
 理解してくれる仲間がたくさんいるのですよ。

 おもしろかった。
 人生はやっぱ楽しく生きなくちゃ。

※性ネタ全開ですが、えろくないので気にならないです。
 それもこのマンガの魅力かもしれません。
 
>余談
 自分名古屋に住んでいたことがあるので、万博ネタとマウンテンネタはうんうんと納得。
 その通りです。

2007年05月23日

★『夏の魔法』(※早老症)


★『夏の魔法』(※島、好きな人、想い出、コテージ、初恋、夏祭り、踊り、仲間、作家、小説、添削、名前、イルカ、家族、童話、人魚姫、白雪姫、秘密、過去、進路、夢、殺意)
著者名:北國浩二
出版社:東京創元社
ミステリフロンティア
★★★★
出版年:2006.10
ISBN :9784488017330

“どんなことがあっても、
 この秘密は絶対に守り通さなければいけない”


 年は22。しかし見た目は老婆の女の子が主人公。
 ファンタジーではなく現実世界での話。
 テレビで話題になったアシュリーと同じく、早期老化症の女性・夏希。
 この夏が最期なんだと悟った彼女は、
 大好きな男の子・ヒロとの想い出の地である島へ滞在することに。

 島へ着いてしばらく、夏希はヒロと再会。
 彼は夏希のお世話になる民宿でアルバイトをしていた。
 もちろん、老婆になった夏希に彼は気づかない。
 夏希は名前を偽ったまま、しばらく島で暮らすことになるのだが、
 後半から同じく民宿で働く若い女性に嫉妬を覚えるように。
 殺意が芽生えてくる。

 すげー哀しい話です。
 ヒロは今でも夏希のことを想ってるっぽいんだよね。
 今自分は目の前にいる。
 でもヒロに正体は明かせない……。

 小説だからね、いつかはバレると思って読んでました。
 しかしそういうカラクリがあったとは……。
 ある意味残酷。
 知らぬが仏ってまさにそのことだよね。
 
 もっと感動的なラストがあればもうちょい評価あがるんだけど。
 でも十分良い作品。

2007年05月20日

☆『IS』(※インターセクシャル)


☆『IS 〜男でも女でもない性〜 1〜8(続刊)』(※半陰陽、性別、男と女、男女社会、理解者、社会、家族、友だち、恋、悩み、苦悩、学校、妊娠、出産、病院、ホルモン剤、手術、ネット、手紙、髪、支え、兄弟、男友達、女友達、パティシエ、戸籍)
著者名:六花チヨ
出版社:講談社
Kiss
第31回講談社漫画賞
★★★★★
出版年:03.11〜2007.03
ISBN :9784063406368

“知らなければ存在しないことと同じだわ”

 2000人に1人。
 この世の中には男でも女でもない性の人間が存在するらしい。
 作り話ではなく、現実の話。
 性同一性障害とはまた別の性問題。
 ISは、心にも体にも、男と女が両方混じっている。
 両性具有なんていうファンタジックなものではなく、めちゃくちゃつらい現実がそこには待っているのです。

 最新の講談社漫画賞少女マンガ部門で賞を獲った作品。
 気になって読んでみたらマジ泣きした。
 自分の悩みがめちゃくちゃちっぽけに思えた。
 
 同時に、片方の性を持って生まれてきた自分はとても幸せなんだと思った。
 当たり前だと思っていたけど、世の中には多くのISが苦しんでいるのです。
 2000人に1人っていうけど、多くの存在は隠されてるから、本当はもっともっと多くの人が苦しんでいるかもしれない。
 そんなとてつもない問題を、自分は今日まで全く、その存在さえ知らなかった。

 性の問題って同一性障害だけかと思っていたから。
 男と女を同時に抱えるってどんなことなのか、ぜひ知ってもらいたいと思う。

******
>性別を扱った不思議世界
★『紫の砂漠』松村栄子

 生まれながらに性別がない世界。
 真実の恋をしたとき、いわゆる<男>と<女>に分かれる。
●『月の人魚姫』『海賊と人魚姫』榎木洋子 角川書店 ビーンズ文庫
 生まれたときは性別のない人魚。
 成人した時性別を決める。
 やや女性向けコメディ。
●『世界で一番不思議なあの子』森山侑紀 講談社 ホワイトハート
 血のせいで男から女になったりする男の子。
 力を制御する指輪がなければ性別が定まらない。
 やや女性向けのコメディ。

2007年05月19日

☆『潔癖少年 完全装備』(※潔癖症)


☆『潔癖少年完全装備 1〜(続刊)』(※トラウマ、遊園地、小学生、中学生、恋、恋愛、好きな人、過去、バス、遠距離恋愛、手紙、友だち、親友、飼育委員、美化委員、特別、修学旅行、告白)
著者名:トビナトウヤ
出版社:白泉社
花とゆめ
★★★☆
出版年:2007.05
ISBN :9784592188704

“理由を述べるのであれば、
 これが答え。故に特別。”


 小学生の時のとある出来事で極度の潔癖症に陥ってしまった主人公の千田。
 怪しすぎる格好で毎日を過ごす。
 素手でモノを触ることは不可能。
 彼にとっての周りは汚染された世界。

 人と触れ合うことなど言語道断。
 ありえませんな感じ。

 そんな主人公が1人だけ触れるのを許すのが、とある女の子。
 これがまたいいエピソードで二人は結ばれる。

 彼の潔癖症状も和らいで問題解決かと思いきや、まだまだ前途多難。
 彼女は外国へ。
 主人公には潔癖症が戻る。
 それでも自分に関わってくれる友だちと、何かしら友情なりを深めていく感じです。

 わたしには潔癖症というのが理解できないんだけど、これって仕方のないことなんだよなあ……。

2007年04月27日

☆『クリア・クオリア』(※奇病)


☆『クリア・クオリア 1〜(続刊)』(※機械人形、ドナー、臓器、病気、目、従者、主人、命、交換、義肢、猫、名前、イミテーション、偽物、組織、人間、抗体)
著者名:遠藤海成
出版社:角川書店
ASUKA
★★★★☆
出版年:2007.04
ISBN :9784048540889

“どうしてこの人はこんな所に居るんだろ”

 すごい哀しい本だった。
 なんていうか、現代版『幸福の王子』?? になりそうでならない感じ。

 徐々に体が腐ってやがてしに至る病気がある世界。
 それは義肢や抗体を持つドナーの手足と交換する形でのみ防げる奇病。
 ドナーは1万人に1人という貴重な存在で、センターで匿られている。
 貴重な存在だから、ほしがる人が多いから。
 命を狙われるわけです。
 売れば大金舞い込むし。

 そんなドナーである主人公・ドロシーは、ドナーのくせに外で日常を送っている女の子。
 逃亡してきたらしい。
 もちろんドナーであることは秘密。
 ばれたら命を狙われるから。
 
 彼女はある日、自分の目と引き換えに廃棄寸前の機械人形プラスティカを手に入れる。
 国家レベルの宝であるドロシーと、いらない存在のプラスティカ。
 対照的な二人の生活。
 プラス、ドロシーをセンターから連れ出したロッドの3人が、主な登場人物。

 偽物の体と本物の体の違い。
 偽物はいけないのか。
 大切な人を救うには誰かを犠牲にしてもいいのか。
 自分の生まれてきた意味とは……。

 人道というか、人として大切なことっていうのをテーマにしてる、非常に考え深い作品。

 タイトルにある<クオリア>とは
 言葉では説明できない感覚、
 言葉の向こうにある得体の知れない感動。らしいです。

2007年04月13日

☆『Second Birth』(※心臓移植)


☆『Second Birth』(※手術、画家、恋人、才能、臓器移植、ドナー、心臓病)
著者名:もりたゆうこ
出版社:講談社
Kiss
★★★☆
出版年:2007.04
ISBN :9784063406436

“どうしたの、あたし……。
 なぜ、あたしはこの絵を知っている……?”


 臓器移植で命が永らえた主人公の泉。
 その日から、彼女の日常は少しだけ変わった。
 食べ物の好みが変わったり、色の好みが変わったり……。

 他人の心臓が自分の中に。
 他人の臓器は自分の体に何か影響を及ぼすのか。
 臓器の持つ記憶は、患者にそれを宿すのか。

「世界まる見えテレビ」とかでそういうのやっていた気がする。
 たぶん、作者はそこからヒントを得たのだと思う。
 
 泉の体にあるのは、有名な画家の心臓。
 彼女に備わったのは、彼女の才能。
 それを利用しようとするものがあらわれて……な、ちょっと脱線すればホラーに行きそうなそうでもないような、な感じです。
 ちょっぴり怖かったです。

2007年04月09日

●『ロクメンダイス、』(※心傷者)


●『ロクメンダイス、』(※施設、カウンセラー、病、心、恋、美容師、死神、犯罪者、妹、治療、手伝い)
著者名:中村九郎
出版社:富士見書房
ミステリ文庫
★★★☆
出版年:2005.06
ISBN :9784829163054

“誰でも良い。
 ぼくに恋を教えてください。
 ぼくは恋をしないと死んでしまうのです”


 高校入学と同時に<六面ダイス>という施設で暮らすことになった主人公のハツ。
 そこは心に傷をもった患者たちが集まった場所。

 表と裏の顔を持つ女性に、亡霊と呼ばれる帰還兵に、いろんな人たちがいる。
 そのうちの一人がずっと思い病気を抱えたチェリー。
 彼は彼女に恋をする。
 だけど、彼女は感情が高ぶると……。

 恋をしなくちゃ死んでしまうハツと、
 恋をしてはいけない少女チェリー。
 二人の行方は、みたいな感じ。

 なかなかな不思議世界。
 自分、こういう弱気モノってのが好きです。

2007年04月04日

●『リセットな彼女』(※記憶障害)


●『リセットな彼女』(※彼女、幼馴染み、ラブコメ、才色兼備、デート、相談相手、クラスメート、演劇、四面楚歌、虞美人、項羽、過去、組織、実験、秘密、誘拐)
著者名:高崎とおる(原著)
坂東真紅郎(著)
出版社:エンターブレイン
ファミ通文庫
★★★★
出版年:2006.03
ISBN :9784757727175

“彼女を興奮させてはならない!”

 主人公・有都の彼女は幼馴染みのロミィ。
 らぶらぶではあるのだけど、彼女は気持ちが高ぶるとその記憶が<リセット>されてしまう。
 キスをしてもその記憶はなかったことに……。
 本人はその事実を知らない。

 そんな二人の恋の行方を描いた作品。

 これがまた良いラブコメ。
 最後のオチが『最終兵器彼女』っぽくてあまり好かないんですけど、
 でもでも、作者が伝えたい<テーマ>ってのはよーくわかるんで面白かったのです。

2007年02月17日

☆「カレンダー」(※病人)


☆「カレンダー」(※同級生、緊急入院、面会、マンガ、新刊、告白、日めくりカレンダー、合図、年賀状)
著者名:久世番子(著)
出版社:新書館
ウイングス
←『甘口少年辛口少女』収録作品
★★★★☆
出版年:2005.10
ISBN :9784403618123

“もしもコイツと彼氏彼女になったら、
 きっとすごく楽しいと思う”


暴れん坊本屋さん』作者の短編集。
 真面目な話が多いです。どれも良作。
 その中でのお気に入り「カレンダー」を紹介。

 元気よかったクラスメートの男の子が悪性リンパ腫という病気だということがわかり、余命半年と宣告されてしまう。
 病院に通い、彼との楽しい時間を過ごそうとする主人公。
 
 これがすげー泣ける話。
 短編なのに、想いが詰まっていていい!
 で、さらにいいのがタイトルにもなっている<カレンダー>の扱い。
 二人だけのメッセージとして使われているんだけど、うまいよなーと思う。

2007年02月15日

★『レインツリーの国』(※障害者)


★『レインツリーの国』(※本、ブログ、メール、恋愛、書店、待ち合わせ、映画、ビデオ、感想、耳、ケンカ、ハンドルネーム、関西弁、就職、仕事)
著者名:有川浩
出版社:新潮社
★★★★
出版年:2006.09
ISBN :9784103018711

“行けるとこまで行こうや。だって二人のことやん。
 二人とも降りたくなったら降りたらええやん。”


 昔読んだ『フェアリーゲーム』というライトノベルの感想をネット検索してたどり着いたサイト「レインツリーの国」。
 主人公伸行はその感想を読み管理人・ひとみへメールを出す。
 それから話が合い始まった恋愛。
 何度も手紙を出すことによりお互いの関係を深めていくところは『エンキョリレンアイ』のような感じです。

 実際会ってからは、ちょっとズレを感じながらもなんとかやっていく。
 でも黙ってはいられない。
 彼女のヒミツを知り、
 やがてお互いが衝突する日がやってくるのです。
 互いが本気で相手のことを想う。

『図書館内乱(図書館シリーズの2作目)』とのコラボらしい。
 ↑こっちは読んでないのでどう絡んでいるのかは知りませんが、ちょっと興味持ちました。

2007年01月26日

☆『1リットルの涙』(※難病)


☆『1リットルの涙』(※脊髄小脳変性症、学校生活、友だち、涙、病院、入院、検査)
著者名:木藤亜也
KITA(画)
出版社:幻冬舎コミックス
ドラマ
★★★☆
出版年:2005.10
ISBN :9784344806085

“神様どうか、
 ハンディを乗り越えられる力をください”


 主人公の女の子は、日ごろからよくつまずいたり転んだりする。
 検査してみると、思い難病を患っていた。
 このままいくと、神経がやられ寝たきりになってしまうのだという。
 将来を断たれた彼女がどうにかして普通の学校生活を送るというもの。

 健康なわたしたちは<歩く>という行為に何の苦労もない。
 ところが、彼女にとって<歩く>というのは非常に困難なもの。
 壁がないと歩けないのだ。
 いうことを聞いてくれない足に対し泣き崩れる姿を見たときは、
 なんともいえない悲しみに浸りました。

 人間って、ホント無力。

2007年01月25日

☆『バイオメガ』(※感染症)


☆『BIOMEGA 1〜2(続刊)』(※未来、ウイルス、動く死体、合成人間、適応者、廃墟)
著者名:弐瓶勉
出版社:集英社
ヤングジャンプ
★★★☆
出版年:2007.01
ISBN :9784088772103

“間違いないわ。この子はN5Sウイルスの適応者よ”

 舞台は3005年の地球。
 火星で不老不死の研究をしていたとき生み出されたN5SV。
 感染すると遺伝子が書き換えられ、ドローンという人ではない生物になってしまう。
 火星ではこれが広がり200年もかかって作られたものがたった4日で滅んでしまう。
 地球だけはなんとか守らなくてはならない。

 都市を浄化し人を助けようというもの、ウイルスの適応者だけの世界を作り古い人間は排除しようとするもの、そして、すでにドローンとなってしまったもの。

 なんか話がすげー。
 世界が終わるまであと15時間くらいだし、当然世界はほぼ感染者だらけ。
 主人公だって感染者(ただし人間の姿はまだ保たれている)。
 しゃべるクマが出てきたりゾンビだらけ、人殺し。
 
 先があるのかないのか。
 とりあえず見ていこうかなと思う。
 

2007年01月18日

●『DDD』(※奇病)


●『DDD 1〜(続刊)』(※悪魔憑き、殺人、事件、謎解き、義手、義足、社会的弱者、妹、警察、犯罪、病院、過去、名前、拒食症、親、世話、両親、姉弟)
著者名:奈須きのこ
出版社:講談社
講談社BOX
★★★★
出版年:2007.01
ISBN :4062836092

“その程度のことで壊れてしまう、人間の悲哀を知れ”

 時系列がバラバラしているので読みにくいけど、わかれば面白いよね。
『空の境界』もそうだったけど、わかるとだんだん面白くなっていく。

 奇病の話。
 感染者の精神だけでなく肉体をも変貌させる奇病アゴニスト異常症患者<悪魔憑き>。
 それが増えた世界。
 昔とある事件で左腕を失った主人公・アリカと、両手足のない義手暮らしのカイエ。
 そして悪魔憑きの監察官マトさん。
 主な登場人物はこの三人で、彼ら彼女らがその患者達が関わる事件を解決していくという、悪魔祓いの話。

 ありえそうで、ない世界。
 しかし、人間の心理や欲望、心の奥に潜むもの、闇、過去、そして人間関係。
 そういうものをうまく描いているよなーと思った。
 はっとするトリックっていうかも奇抜でいい。

 今後としては、妹さんに関する話が気になるところ。
 まだ少ししか明らかにされていないしね。

2007年01月17日

★『余白の愛』(※難聴)


★『余白の愛』(※障害、突発性、速記者、記憶、指、手、耳、耳鳴り、ヴァイオリン、ジャスミン、夫)
著者名:小川洋子
出版社:中央公論新社
中公文庫
★★★★
出版年:2004.06
ISBN :4122043794

“君の耳は病気なんかじゃない。
 それは一つの世界なんだ。
 君のために用意された、大切な世界なんだよ”


 失う話がお得意の小川さん。
 今度は音を失いそうな女性の話。
 夫との関係にギクシャクして、それがきっかけっぽくて難聴になり始める。

 それがきっかけで出会った速記者のY.
 彼女はYの指にほれ込んでいくのです。
 これがまた美しいんだよね。
 指フェチのためにあるような本だね、コレ。
 たまらん。
 わたしもYに癒されっぱなし。

 いや〜、良き愛情です。

2007年01月16日

★『パーフェクト・ワールド』(※障害者)


★『パーフェクト・ワールド 1〜(続刊)』(※特異体質、京都、外国人、ホームステイ、英語、運命、足、能力、車椅子、名前、ヒーロー、仮面ライダー、魔法のコトバ、父)
著者名:清涼院流水
出版社:講談社
講談社BOX
★★★★
出版年:2007.01
ISBN :4062836106

“まったく……いつも、こうだから……。
 この世界は、不完全なんだ”


 12ヶ月連続刊行作品の1冊目。
 英語と京都の勉強って感じの1話目で、英語も京都も知らないわたしには難しい内容。
 だけど、それなりに面白くて興味深いんだよね。
 ストーリーの方は。

 主人公の英数は優秀野球少年だったんだけど、事故で下半身麻痺になってしまう。
 夢が途絶える。ヒーロー気取りの人生も終わった。
 この世にパーフェクトなんて無い。
 車椅子生活が始まる。

 そんなある日、彼はとある特殊能力に目覚めるんです。
 1日に1分間だけ、ヒーローになれる。
 不思議な力を得た英数。
 そして、彼の家にホームステイすることになった外人のレイ。
 日本語を学びたいという彼にも、とある秘密が隠されていて……。

 という流れ。
 不思議な世界です。

 で、帯代わりに箱に貼ってあった簡易シール。
 どんなラストだよ、と思ったその先にあったもの。
 確かに、ヤバかったな。
 どうヤバイのかは次巻。引っ張り方うまいです。
 
 というわけで、次も購入決定。

2007年01月06日

★『美丘』(※恋人の病死)


★『美丘』(※大学生、性、恋愛、愛、恋、三角関係、飲み会、告白、デート、本、病気、買い物、東京、渋谷)
著者名:石田衣良
出版社:角川書店
野生時代
★★★★
出版年:2006.11
ISBN :404873718X

“きみと死ぬのではない。
 きみと生きるのだ”


 今朝「王様のブランチ」で石田衣良さんが出ててこの本の紹介をしていた。
 あえて王道を選んで<恋人の病死>というテーマにしたらしい。
 気になったのでさっそく読んでみる。

 病気で近いうちに死ぬ運命にある女の子・美丘と、主人公の男の子・太一の恋愛模様。
 ……っていえば聞こえはいいけれど、長い前振りがありまして、
 実は主人公の太一。初めは美丘には全く興味なくて、きれいで何もかもが完璧な女の子麻理と付き合ってた。
 この三人は友達同士。
 三角関係っていうのかなー。
 途中から太一は美丘が好きになるんですよ。
 麻理を捨てちゃうんですよ。

 わたし、かなり麻理に同情しました。
 ひどい、ひどすぎる!
 主人公とヒロインの恋愛話よりむしろこっちが印象的だった。
 たしかに好きになった人を失うってのは哀しいし、
 たぶんこれは純愛に入る部類だと思うし、否定はしない。
 でも、これはちょっと相手の気持ちにもなってみ? という感じがする。
 後味悪いなーとも思う。

 それに、性に関することがストレートすぎるし、
 表紙だって生理的にちょっと。

 恋人の病死といえば『世界の中心で愛を叫ぶ』ですが、遠まわしにこれが否定されてるのも(←美丘の発言だけど)どうかと思いますし……。
 いいんだけど微妙すぎる。
 悪くはないけどさ。

 とりあえず、読むにあたっては18歳以上くらいが正しいのでは。
 中高生にはまだ早いかもしれない。

2006年12月18日

☆『私の頭の中の消しゴム』(※記憶)


☆『私の頭の中の消しゴム』(※若年性アルツハイマー、恋人、結婚、家族、元彼、仕事)
著者名:星野正美
出版社:小学館
プチコミック
映画・小説
★★★
出版年:2005.10
ISBN :4091302742

“忘れたくない。
 今の幸せなこの記憶だけは消さないで”


 韓国映画のコミック版。
 この前テレビ放映されたのを期に読んでみました。

 とある男性と運命的な出会いをし、二人は恋人同士になりやがて結婚。
 幸せな暮らしが続くはいいけれど、物忘れがひどくなり……という話。
 切ないです。
 若いのになぜこんな風に……という感じでショックです。
 ショックが大きいです。

 彼女は全然悪気はないのに、忘れてしまった記憶のおかげで最愛の夫に迷惑をかけ続ける。
 でも、彼は見捨てない。
 彼女を愛し続けるのです。

 治す方法がないというのはかなり過酷。
 それでもちょっとした奇跡があるのは救いだよな、と思う。

2006年12月15日

★『些末なおもいで』(※奇病)


★『些末なおもいで』(※10代、高校生、不眠症、恋、幼馴染み、青春、友だち、病気、死、家族、園芸部、喪失、羽)
著者名:埜田杳
出版社:角川書店
第2回野性時代青春文学大賞受賞作
★★★★☆
出版年:2006.12
ISBN :4048737465

“本当に哀しいのは、消えてしまった瞬間ではないのだ。
 本当に哀しく、堪えがたくなるのはその後流れ続ける日常なのだ”


 第二回野生時代の青春文学大賞受賞作。
『りはめより100倍恐ろしい』を排出したあの文学賞の2年目。

 これがまた奇才で。
 とんでもねえやつが現われたな、と思った。
 20歳の女の子が描いた話なんだけど、これがまた新鮮で面白くて。
 今月の「ダ・ヴィンチ」で紹介されてたのを読み、それで興味を持った。
 ここまで楽しませてくれるとは思ってもいない。
 10代の青春が描かれている一般書なんだけど、これが萌える(笑)
 微妙に女性向けか? の云々は置いといて(一般文芸だし)……。
 その前に共感する部分が多いんだよね。
 青春とか友だちか親友のこととかね。

 主人公の男の子と病気の男の子と、一人の女の子の関係がまたいいんです。
 主人公は不眠症の男子学生・檜山。
 とある夜更け、檜山は自分の家の窓から同じ高校の男子・矢鳴を見かける。
 彼もまた夜に眠れず彷徨っていた仲間。
 あまり話したことがなかった二人は、やがて打ち解けあい、部活の関係でキューピーさん(矢鳴の幼馴染みの女の子)も加わるように。
 キューピーさんは周囲から外れている人ではあるが、自分の考えをしっかりと持った人。

 三人を語りたいんだけど、スペースないので置いといて、
 本書でもっとも重要なキーワードである<奇病>のことを語りましょう。
 矢鳴が奇病にかかってまして、近いうちに死が訪れるというとある病気の告白を二人にするわけです。
<あれ>と呼ばれる病気。
 文章は<あれ>の連呼で<あれ>ってなんなんだよっ、とツッコミを入れたくなるくらい<あれ>という言葉が出てくる。
 初めにちゃんと説明はなされているのでいいんですけど。

 現代には決して存在しない病気。
 しかし、感情移入できる素材は十分にある。
<あれ>は治らない病気であり、近いうちに死が訪れる。
 大事な人を失う話。
 喪失の話。
 感じとしては、『密やかな結晶』。

 世界観は三崎亜記や朱川湊人が描く不思議世界系。
 奇抜な話が好きな人には自信を持ってオススメ。
 新しい話なんですよ。
 今の時代に必要なのはこの新鮮さだよなーと思った。
 他にないモノにわたしは飢えてる。
 それを見事に満たしてくれました。
 
******
角川書店特設ページ
野性時代青春文学大賞:埜田杳さんの「些末なおもいで」に(毎日新聞06/11/21)

2006年12月11日

☆『タイヨウのうた』(※病気)


☆『タイヨウのうた』(※太陽、恋、音楽、CD、歌、友だち、恋人、夢、サーフィン、海、夜)
著者名:皆月つなみ
坂東賢治(原)
出版社:白泉社
シルキー
映画コミカライズ
★★★★☆
出版年:2006.09
ISBN :4592187539

“なんつったかな。
 紫外線のアレルギーで、太陽にあたると死ぬ病気だって。
 だからあの子は夜しか歩けないんだ”


 映画「タイヨウのうた」の漫画版。
 原作も映画も見ていないので本当はどういう感じなのか知りませんが、これもなかなか。

 太陽に当たると死ぬ病気。
 家に缶詰状態の彼女。
 生きる実感がするのは、夜の路上ライブだけ。

 あと少ししか生きられない少女が、男の子に恋をする。
 好きになってしまった女の子に寿命が迫っている。
 それを知ってしまった男の子は、自分に出来ることは何かと考える。
 少女は日に日に症状が悪化していく。

 せつないなー。
 泣ける話っていうのは必ずといっていいほど、人の死が関わってる。
 ある意味禁じ手だよな、と思う。
 当たり前だよ。
『世界の中心で愛をさけぶ』『いま、会いにゆきます』『この胸いっぱいの愛を』『涙そうそう
がいい例。
 これから映画になるっていう『幸福な食卓』ってのもそうだよね。
 最近多いなー、こういうの。

 そうそう、来年1/12に「タイヨウのうた」の漫画版がまた出ます。
 次は講談社から。
 購入する予定です。

******
>太陽に当たると死ぬ病気
 村山早紀さんの連作短編集『ささやかな魔法の物語』の「グリーン先生の魔法」も、そういう病気を持った少女が出てきます。

2006年09月18日

☆『トランスル−セント』(※病気)


☆『トランスル−セント 彼女は半透明 全5巻』(※透明病、中学生、恋、演劇部、ライバル、ガラス職人、プラモ、青春)
著者名:岡本一広
出版社:メディアファクトリー
 フラッパー
★★★★☆
出版年:2005.06〜06/11
ISBN :4840113181

“本当はあたし死んでて……、今の自分は幽霊なんじゃないかって。
 だから…だから…見えないんじゃないかって。
 いつも叫びだしたいのを我慢してるのっ
 あたしはここにいるんだって…!!”


 超いい話です。
「透明病」っていう体の透ける病気にかかった女の子しずかと、
 彼女を取り巻く人々の話。
 透明病って言うのは、この漫画の中では認知されている病気で、発病の原因も治療方法もわからない病気。
 健康保険だってきく。

 同級生で、彼女が片想いしている唯見くん、
 目立つことにコンプレックスを抱くツンツンキャラの大河内さん。
 しずか、唯見くん、大河内さんの三角関係がめちゃ美しいです。
 本来ならドロドロになりそうなんですよ。
 大河内さんの容姿はそういう風に見えるから。
 でも、大河内さんは超いい人で絶対に憎めない。

 ほかには、完全に透明になってしまったガラス職人の女性の存在もはずせない。
 彼女の生き方を見ながら、しずかはがんばっていくんだよね。
 しずかの透明病は、透けたり透けなかったりの繰り返し段階。
 完全に透明というわけじゃない。
 映画版「ハウルの動く城」のソフィーのように、恋や生きるという意志が透明病から体を守っているという感じ。
 
 いいよ、これは。
 やさしくなれる。 

◇“透明病”少女を見守る少年 甘酸っぱい二人の恋(毎日新聞書評)

2006年09月17日

※病気

『彼女は半透明』に関連して、病気関係の本。
 このカテゴリで紹介済みのものは載ってません。

★『世界の中心で愛をさけぶ』
 好きになった女の子が、白血病に。
●『時の輝き』折原みと
 好きになった男の子が不治の病に。
☆『満月をさがして』種村有菜
 残された命はあと1年。
 そう告げられた女の子が、歌手の夢を叶えようというもの。
 ファンタジー系。
☆『千年の雪』葉鳥ビスコ
 心臓病を抱える女の子と、吸血鬼の話。
☆『ふたつのスピカ』柳沼行
 薬を飲んでいる女の子が出てくる。たまに吐血する。
★『シュガータイム』小川洋子
 背が伸びない病気を抱える弟
★『犬はどこだ
 皮膚の病気にかかった過去がある主人公。
◆『ささやかな魔法の物語
 太陽の光を浴びると死ぬ、そういう病気を持った女の子が出てくる。
★『トキオ
 不治の病にかかった主人公が、過去にタイムスリップ

>病弱キャラ(比較的軽い)
★『しゃばけ

 主人公の若旦那は体が弱い。
★『バッテリー』あさのあつこ
 主人公の弟がぜん息。
めぐる架空亭
 主人公が病弱。
☆『きのう、火星にいった
 病弱で田舎療養していた弟が出てくる。
★『カンパネルラ
 体の弱い兄がでてくる。

>モモノケ系
☆『蟲師』漆原友紀

 蟲に関わる病気

2006年09月06日

☆『金魚奏』(※聴覚障害)


☆『金魚奏』(※高校生、恋、和太鼓、大学生、大学、手話、海、祭り)
著者名:ふじつか雪
出版社:白泉社
 LaLa
★★★★
出版年:2006.09
ISBN :4592188500

“神様、彼から音を奪ったかわりにどうか、
 彼の眼がうつす世界は少しでも鮮やかでありますように”


 萌えますなあ……(笑)。

 主人公が恋した男の子は、実は耳が聞こえない障害を持っていた。
 心を閉ざしている。
 しかし女の子は諦めない。
 好きなの! もっと近づきたいの! とかんばるお話。

 障害者を軽く扱ってないとこがいいよね。
 壁が厚いの。
 男の子の闇の部分描かれてるし、
 彼女のおかげで少しずつ心を開きだしたというとこもいいし。
 元気もらえる作品。
 絵もかわいいしね。

 そしてなにより、守ってあげたくなる男子ってのが自分のツボ。

2006年06月02日

●『桜乃きらほの魔法医カルテ』(※医療)


●『桜乃きらほの魔法医カルテ 1〜(続刊)』(※命、病気、オカルト、時間、臓器移植)
著者名:月見草平
出版社:メディアファクトリー
 MF文庫J
★★★☆
出版年:2006.05
ISBN :4840115419

“人が自殺しようが何をしようが俺には関係ない。
 医者の仕事は疾患を治すこと。ビルから飛び降りようとする自殺志願者を説得するのは警察の仕事だ”


 ある日突然おしりにしっぽが生えてしまった桜乃きらほ。
 放っておけば獣化するらしい。
 彼女を治すのはオカルト診療所の同級生朝永。

 全体的に2部構成。
 男性に受けるネタが多くて女のわたしには合わなかったんですが、後半はかなーりシリアスな医療モノですごくよかった。
 しっぽが生えたという話はほんのプロローグにすぎなく、
 きらほと朝永を関係づけるネタ&オカルト医療についての前置きというだけであって、読むべきは次のお話なのです。

 作者が『ブラックジャック』や『ER』を慕っているだけあって、患者やそれを取り巻く家族の想いが熱すぎるのです。
 一つの愛の物語ですよ。
 あらすじとしては、難病を抱え近いうちに死ぬといわれている少女が、天才医の朝永に「きてくれ」と依頼。
 それは治療じゃなくて殺してくれという依頼だった。

 彼女は実際の時間の流れと体の時間の流れが異なってて、本当は高校生なのに見た目は小学生。
 病気のため成長は普通の人よりかなり遅いのですが、発作が起こるたび急激に年をとってしまう。
 ひどければ一瞬にしておばあさんになり死んでしまう運命を背負っていた。

 救うまでの道のりってのがいいんですよ。
 機会があったら読んでみてください。
 家族愛に感動しました。

2005年11月18日

◆『進化論』(※無精妊娠)


◆『進化論』(※遺伝子、無精妊娠、人間、父親、男、彼氏)
著者名:芝田勝茂
出版社:講談社
YA!ENTERTAINMENT 
出版年:2004.06
ISBN :4062124653

 97年刊の再刊。
 実際に起こりうるかもしれないのでけっこう衝撃的。

 今の時代、クロマニョン人やネアンデルタール人はいない。
 それは人間が進化したから。
 ということは、現代人も進化し、今の姿は滅亡する?

 主人公の彼女が、突然妊娠しちゃうんです。
 でも父親は彼氏である主人公じゃない。
 ほかのどの男でもない。
 無精妊娠
 遺伝子異常児の誕生の誕生ですよ。
 ちょっとリアルでした。

2005年10月08日

★『博士の愛した数式』(※記憶障害)


★『博士の愛した数式』(※お手伝い、天才、博士、記憶、数式、阪神)
著者名:小川 洋子
出版社:新潮社
 新潮
 映画化(2006)
 コミック化(講談社)
★★★★☆
出版年:2003.08
ISBN :410401303X

 第1回本屋さん大賞1位を受賞した作品。
 映画化も決定している、芥川賞作家の作品。
 すばらしかった。

 障害者がなぜ博士? と不思議に思っていたのですが、そういうことでしたか。
 事故により80分しか記憶できない数学「博士」と、家事手伝いに派遣された「」、そして息子「ルート」の物語。
 よく考えたら本名出てきてない。
 でもこの話に名前は必要なし。
 どれもこれも美しい数式でまとめられている。

28」は、わたしもほれぼれしちゃいました。
 博士なら、どんな数字でも綺麗にまとめられるような気がする。
 そんなに頭のいい人が……。おしいなあ。
 記憶がストップしていなければもっともっと天才になっていったんだろうなあ。

 数学は嫌いだけどこういう数学は大好きなわたし。
 小川さんもそういう理由でこの世界に入ったのだろうか。
 大学は文学部だし。
 ちくまの「世にも美しい数学入門」読みたくなってきた。