“人間の体って、病気や事故で器官の1つが失われると、
★『モップガール』(※掃除会社、職場、ワケあり物件、血、謎解き、事件現場、事件、事故、難聴、五感、味覚、匂い、フラッシュバック、同僚、上司、社長、フリーター、面接、ミステリ、刑事、犬、アレルギー) 著者名:加藤実秋
出版社:小学館
きらら
ドラマ
★★★★
出版年:2007.09
ISBN :9784093861922
それを補うために別の器官の動きが敏感になったり活発になったりするんだって。”
今期金曜深夜ドラマの原作本。
特殊清掃会社×特殊能力者×謎解きミステリなけっこう豪華な内容になってます。
ドラマでは主人公の桃ちゃんの能力がタイムリープになっていたり葬儀屋(の特殊清掃課)だったり他にもいろいろ違ってるのですが、原作の方が面白いんじゃないかと個人的には思う。
ま、だけど映像化を前提に描かれたとはいえ、脳みそブシュー、血がドバーとか糞尿あたりまえな世界なもんで、限度ってのがありますからねえ。
対して小説ってのはテレビほどよりかは描写できるからより深いよねと思う。
フリーターである主人公桃子が次に働くことになったのは、清掃会社。
しかも、普通のじゃなくて、特殊清掃の方。
事件事故現場の後始末をする仕事をしている。
血の処理とか。
そんな桃子は、とあるわけあり物件の清掃中に奇妙なフラッシュバックを体験する。
その真相を探るため、そこで起きた事件を捜査していくのです。
桃子は片耳だけ難聴持ち。
同僚の翔いわく、失った機能を補うために別の器官が敏感になるからそういうことが起こるのではないか。
事件解決後は、フラッシュバックを見ることはなくなった。
ところが次の清掃では味覚がおかしくなり、どんなものを食べてもカップ麺<赤いきつね>の味を感じてしまうのだった。
桃子は同僚の翔とともに、身体の異変を治すため再び事件を紐解いていきます。
他にも鼻が狂ったり体温が狂ったりと、桃子の身体には不思議が降りかかります。
この本の魅力は、そういった何度も変わる数々の体の変化でしょうか。
プラス、登場人物の人柄。
アットホームな職場ってだけあり、キャラクターが特殊です。
一番好きなのは社長。
犬マニアなのにアレルギーで触れられないってのが悲劇。
それをユーモラスに描いてるもんだから印象に残ってしまう。
あとは上司の重男が頼もしくて好きだし、
桃子と恋愛対象になるのかならないかの翔も好き。
特掃の話はブログで読んでいたりするので初めて踏み込む世界じゃない。
汚いものの後始末だし、そこにまとわりつくのは死だし、覚悟と勇気がいると思う。
東京だけでも、毎年自殺者は2500人以上、殺人事件は100件以上、交通事故に至っては8000件、うち死亡者は300人もいるらしい。
こんな世界で、彼らがいらないわけがない。
驚くほどのこの数字。
いろいろ考えてしまうよ。


