“多田万葉、あんた、大きくなったらうちの嫁にきなさい。
●『赤朽葉家の伝説』(※千里眼、未来視、祖母、母、名家、婚約、結婚、家柄、ライバル、製鉄、家族、死、事故、レディース、漫画家、影武者、謎解き、鳥取、旧家、愛人、孤独、変人、出産、子ども、娘、息子、ぶくぷく茶) 著者名:桜庭一樹
出版社:東京創元社
本の雑誌「2007年上半期エンターテイメント・ベスト10」5位
第60回日本推理作家協会賞
第137回直木賞候補作
★★★★☆
出版年:2006.12
ISBN :9784488023935
いいわねぇ?”
噂には聞いていたけど、これほどのめり込めるものだとは思ってもみなかった。
一人の人の一生を描くってのはいいよね。
壮大な物語っていうのはいい過ぎかも知れないけど、歳月が流れるたびに、何度か涙した。
自然と涙が出るのですよ。
一番目は泪が生まれた瞬間。
3つの章から成り立っている話。
語り手は娘の瞳子で、千里眼を持つ祖母・万葉と、母親・毛毬と、自分の現在を描いてる。
主人公は祖母の万葉といっていいですね。
この人から全てが始まったというか。
万葉は、赤朽葉の人間じゃない。
捨て子だ。それも変わった子だ。容姿からして異様だ。
万葉は不思議な力を持っている。
視力がいいし、遠くが見えるじゃなくて、見えないものまで視える。
初めは、空を飛ぶ人間。
だけど、視るほとんどは死の予言。
誰かの死だ。
映画の「ナルト 疾風伝」も人の死ばかり視てしまう巫女が出てきたけど、
これはまた違う話。
拾われて下町で育った彼女は、身分の違いすぎる赤朽葉家の権力者・タツにうちに来ないかと声をかけられる。
のちにタツの息子と結婚することになるのだが、それがまた運命的といいますか。
それを受け入れる未来の旦那の決心もすごいよな。
万葉はもちろん貧乏で、変人で、女の子ってんじゃない。
だけど、結婚しすることで女になっていくし、
昔自分にはなかった家庭っていうのが生まれてくるし。
時代とともにの変化がすごくおもしろかった。
ちょっとしたことなんだけど、命名もおもしろかったな。
苗字がない万葉からしてなんとなくそんな予感はしてたけど、
命名が奇妙。
常用漢字外のものを名前に付けてるんだよね。
役所に出している名前と、本当に命名された名前が違うってのも、特殊な匂いをぷんぷんさせてます。


