“どんな動物でも密集して暮らしていけば、種類が変わっていく。
★『グラスホッパー』(※復讐、非合法ドラック、バカ息子、誘拐、軟禁、押し屋、自殺屋、犯罪者家族、拷問、人の生き方、家族愛) 著者名:伊坂幸太郎
出版社:角川書店
第132回 直木賞候補作
★★★★☆
出版年:2004.07
ISBN :4048735470
黒くなり、慌ただしくなり、凶暴になる。
気づけは飛びバッタだ”
↑というのがタイトルの意味部分に当たるトコ。
都会で暮らしていると人は黒くなる。そんな話。
超おもしろいです。
表紙が白くても伊坂作品は読み応えある。
いい意味でいろいろ読者を裏切ってくれる。
飽きがこない。
犯罪者の正義というか、そんな感じ。
伊坂さんは犯罪者描くのうますぎ。
・妻を殺したヤツに復讐をしようと、非合法ドラックを売ったり臓器売買を繰り返す闇会社に入社する元教師の<鈴木>。
・依頼されては人に自殺をさせまくっている自殺屋の<鯨>
(今までに32人を追いやってきた)。
・人の飼い犬として殺し屋をやっている<蝉>。
本作は、この3人の視点から物語が語られている。
初めは接点がない3人だったが、一つの事件が起こることでだんだん出会っていくのです。
伊坂さんにはよく見られる手法。
ドキドキ感がたまりません。
この小説には、生物と同じ名前を持った人が他にも多く登場します。
・「押し屋」と呼ばれている殺し屋<槿(あさがお)>
・その妻<すみれ>
・人殺しを命じる<梶>
・殺し屋の<雀蜂>
・他……悪いことしている<柴><土佐><桃><鳥>
これを考えれば主人公の<鈴木>は、この小説での唯一の一般人であり、普通の苗字を持っている人間。
普通の苗字の人はほかにも出てきますが、何かを感じます。
タイトルが「グラスホッパー(バッタ)」だし。
バッタじゃないってことは、黒く染まっていない普通の人間ってわけですよ。
伊坂さんのセンスを感じる。
センスといえば、『唾と密』(笑)。考えたことなかった。
あとは、
家族愛に満ち溢れてます。
妻を想う主人公の<鈴木>とか、
殺し屋なのに妻子持ちの<槿>、とその妻と子どもとかね。
愛のパワーを感じる。
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